INITIATIVE
企業による取り組み
2025.08.06
LIMNO / Business for Marriage Equality
親子で体験する「ことば・文化・性の多様性」(鳥取)

2025年6月、鳥取市内で「いろとりどり鳥取フェス―親子で学ぼう多様性―」が開催されました。 本イベントは、地域の小学生とその保護者を対象に、「ことば」「文化」「性」の多様性をテーマとしたワークショップやトークを通じて、他者の違いを尊重し合う心を育むことを目的としています。
主催は、婚姻の平等の賛同企業である株式会社LIMNO様。共催で虹色ダイバーシティとMarriage For All Japanが参加し、ほか鳥取県聴覚障害者協会、鳥取地球人クラブの協力を受けての実施となりました。
会場はLIMNOさんのV.co-Lab(多様性から価値を生む共創及びオープンイノベーションの拠点)。多様性に関心のある親子約20名が集まり、「違い」を自分ごととして捉えるきっかけとなる、あたたかく充実した一日となりました。
手話で広がる世界 ― ことばの多様性(鳥取県聴覚障害者協会)
最初のプログラムは、ご自身もろう者である講師による手話ワークショップです。「ありがとう」「こんにちは」「名前」など、日常で使える手話表現を、身振りを交えながら丁寧にレクチャー。参加した子どもたちははじめ緊張していたものの、講師の方のユーモアやジェスチャーに引き込まれ、笑い声も交えながら楽しそうに手話を真似ていました。「ことばの多様性」が視覚的・身体的に実感できる貴重な時間となりました。

世界はこんなに広い ― 文化の多様性(鳥取地球人クラブ:中尾 和則さん)
世界80カ国以上を旅した冒険家・中尾さんが、実際の写真を使いながらさまざまな国や地域の暮らしを紹介。ラクダでの移動生活、サハラ砂漠の水確保、民族衣装体験など、多くのエピソードが披露され、子どもたちは驚きや笑いを交えながら夢中でスクリーンを見つめていました。実際に民族衣装を身につける体験では「すごい!」「こんな服、着てみたい!」といった声も上がり、遠い異文化への理解が「じぶんごと」へと変わる機会となりました。

じぶんらしく生きるって? ― 性の多様性(虹色ダイバーシティ 村木真紀さん)
イベント後半では、虹色ダイバーシティ代表の村木さんによる、性の多様性をテーマにしたトークセッション。自らの体験や「大人になるまで“自分みたいな人”が世の中にいると知らず孤独だった」経験などを語りました。
村木さんは大阪にLGBTQ+に関する書籍を750冊以上そろえたセンターを運営しており、会場でもその一部を展示しました。「子どものころにこういう本があったら、どんなに救われただろう」という思いも共有。参加いただいた親世代はうなずきながら聞き入り、子どもたちも真剣な表情で耳を傾け、本を手に取っていました。

トークでは、男女の固定的な役割や「男の子はこう」「女の子はこう」という先入観が、子どもたちの自由な選択を妨げることにも触れ、ホームセンターで見かけたピンクと青の縄跳びの売り場の例を通じて、「誰もが自分らしく選べる社会」の大切さを伝えました。

最後にはLGBTQ+の多様な性を示すレインボーフラッグや用語解説が紹介され、子どもたちは興味津々でシールを手に取りながら“性のグラデーション”を学びました。「これ、先生にも見せたい!」「こういう人もいるんだね」といった声が親子の間で交わされていました。イベント終了後のアンケートでは「同性でも結婚をできるような国にしたい」「また参加したい」といった前向きな感想が多く寄せられました。

文・写真:岩村隆行